中村鱗 uroko nakamura
西洋古典絵画の伝統的な技法のテンペラと油彩の混合技法ミッシュテクニークで描かれる中村鱗さん。
「少女」の世界観に惹かれて描かれる作品は、ねっとりと積み重ねられた妖しい香りで、少女の身体は不均衡で世間の常識とは逆行する美しさを感じます。 作品の中では奇妙な風が流れて少女達の衣擦れの音が聞こえ出しそうです。
テンペラ絵具と油性の油絵具を交互に塗り重ね膨大な時間と手間を費やし、必ず完成させる。それは技術的なことだけでなく、自分で対面して心のざわめきを感じたり、絵の神様に届けられるようにと思いながら描かれています。
ノアの方舟に着想を得た「船に暮らす者」シリーズを制作。絵画に加えて小さなドレスの制作にも取り組まれています。
- 制作拠点
- 関西を中心に活動
- 主な素材
- 油彩、テンペラ、水彩、木炭、銀筆
- 技法
- 油彩・テンペラの混合技法(ミッシュテクニーク)
- @urokonakamura_salon
経歴
- 愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業
作品について
About the Works
作品の特徴、制作に向き合う姿勢、素材と技法、そして現代の暮らしとの接点。
4つの視点から、この作家の作品世界をご紹介します。
01 制作のテーマ
少女と、身体と精神について
昔から惹かれてきた「少女」の世界観が、制作の中心にあります。
少女、身体と精神の統合について
幼い頃から絵を描くことが好きだった中村鱗。少女をめぐる小説や、その世界観に長く惹かれてきました。
現在の関心として挙げるのは、「少女」と「身体と精神の統合」。読書から受け取ったイメージや、自身のなかにある問いを、絵画を通して見つめています。
02 素材と技法
必ず完成させる
さまざまな描画材に触れながら、一作に時間をかけて向き合います。
もうこれ以上描けないだろうと思えるところまで描く。
油彩やテンペラに加え、水彩、木炭、銀筆など、多様な描画材を使って制作しています。素材を選ぶ理由は、「いろんな描画材に触れたいから」。
コロナ禍には、テンペラ画を学び直そうとダ・ヴィンチの模写に取り組みました。10号サイズの作品では、完成まで半年から1年が目安。一作を最後まで描き切ることを大切にしています。
03 代表シリーズ
船に暮らす者
「船に暮らす者」は、読書と、今の世の中について考えることから生まれたシリーズです。
ノアの方舟を着想の出発点とし、作中には金色の船のジュエリーが登場します。物語から受け取ったイメージと、現代を生きるなかでの思索が重なる作品群です。
04 絵画から空間へ
小さなドレスがつくる、もうひとつの世界
絵画と小さなドレスを組み合わせ、空間全体へと表現を広げます。
絵画とともに、小さなドレスの制作も手がけています。
今回の展覧会『RED, SCREAMING 』では、ドレスのインスタレーションと新旧の絵画を組み合わせた空間を構想。絵画とドレス、それぞれの作品が響き合う展示を目指しています。
制作風景と代表作品
Gallery & Works
制作の手仕事の風景と、作家の代表作品をご紹介します。
制作風景
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朗読劇 対話は重なり、気づかない風の音、鳥の囀りや太陽の擦れる音さえも闇に吸い込まれる。 すべて同じ時のこと。 -
鳥の声、寒い季節、まなざし』 絵の具は絵の具でなくなって、感情も層をなしてバランスを取ろうとしている。 季節を感じていたら、夏鳥の鳴き声を耳にしたような気にもなるし、はっきりとこちらを見ている視線を感じる。 遠くに行ってしまわないように、しっかりと座っている。 -
灰を掘り起こす 私にエロスはないから描けない。 女神としては生まれなかった、乱すことも乱されることもない、地下の真空に住んでるみたい。