福嶋 久美子 Kumiko Fukushima
祈りを綯い、暮らしに結ぶ。
- 制作拠点
- 兵庫県神戸市
- 主な素材
- 国産の稲わら・伊勢錦の青刈り藁・水引
- 技法
- 左綯い・三本綯い
- @shimekazari_wara
主な活動・受賞
- 第48回 全国伝統的工芸品公募展 入選/東京・国立新美術館にて展示
- 第71回 西宮市民展 入選
- 第72回 西宮市民展 入選
- 2025年「〈綯い〉の美」エンギャラリー芦屋
経歴
- 1991年より、兵庫県西宮市でフラワーアレンジメントの少人数制レッスンを行う。
- 花の表現と並行して、全国の神社のしめ縄を綯う師に学び、しめ飾りの制作に取り組む。
- フラワースタジオナチュラルを主宰。
- 株式会社アスカ商会とのコラボレーションによるオリジナル作品の制作や、ワークショップなどでも活動。
作品について
About the Works
作品の特徴、制作に向き合う姿勢、素材と技法、そして現代の暮らしとの接点。
4つの視点から、この作家の作品世界をご紹介します。
01 作品に込める想い
祈りと感謝を、藁のかたちに。
一軒で200本飾られていた日本の温かい文化を、今の暮らしへ。
清らかな場所を示し、人々の願いを託してきた日本のしめ飾り。かつて昭和の初め頃までは、どこの家庭でも家長やおじいさんが自分の食べたお米の藁に感謝を込め、家中の神様のために100本、200本と縄を飾る温かい日常がありました。
福嶋さんは、その原点である「日々の祈りと感謝」に深い敬意を払いながら、天の岩戸隠れの時代から続く結界の技術を受け継いでいます。ただの季節の飾り物ではなく、日々の暮らしや大切な住まいを守り、空間を清めるお守りとして、現代のインテリアに溶け込む洗練された和飾りを生み出しています。
02 制作への姿勢
心を整え、藁に向き合う。
伝統技法と、心を込めた一手間。
3本目の藁を編み込む難易度の高い「三本綯い」。本数ではなく長年の手の感覚で均等に分け、木槌で一打一打心を込めて打つことで、固い藁にしなやかな命が宿ります。一つひとつの工程に一切の妥協を許さず、他には出していない秘伝の仕上げ技術まで注ぎ込む姿勢こそが、美しさと品格の土台になっています。
03 素材と技法
命を使い切る、選りすぐりの素材。
探し求めた青刈り藁と、長野県飯田のアンティーク水引。
しめ飾り作りは、全国を長年探し求めてようやく出逢った農家さんが愛情を込めて育てた「最高級の青刈り藁」から始まります。下草を落とし、手作業で一本一本厳選を重ねると、使えるのは全体のわずか数%ほど。削ぎ落とした藁も捨てることなく、命を使い切るために「アコ(芯)」として作品の内に抱き込みます。
お清めの塩水に加え、防虫・防カビと清らかな香りのために「青森ヒバの天然オイル」を含ませて木槌で叩き、力強く「左綯い」で編み上げる独自の技法。さらに、長野県飯田市へ直接足を運び買い付けた、今では希少な「アンティークの繊細な水引」をあしらっています。伝統の精神を守りつつ、美しさを追求するためにワイヤーなどの新しい素材も柔軟に取り入れることで、これまでにない立体感と現代的なデザインを実現しています。
04 暮らしとのつながり
ともに暮らし、空間を美しく整える。
大切な場所と、住まう人の気持ちに寄り添うしめ飾り。
新しい年を迎えるお正月飾りとしてはもちろん、一年を通して空間を守り、心を寄せるお守りとして。福嶋さんは、飾る人の想いや現代の多様な住まいに自然と馴染む作品を提案しています。
「伝統的すぎると洋室に飾りにくい」「天然素材だけではデザインが広がらない」という壁を打ち破り、北欧風のインテリアや現代的なドア、リビングの観葉植物とも美しく調和する造形美。厳選された青刈り藁の爽やかな香りと、凛とした立ち姿が、暮らしの中に心地よい静けさと清々しい空気をもたらしてくれます。
制作風景と代表作品
Gallery & Works
制作の手仕事の風景と、作家の代表作品をご紹介します。
制作風景
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藁を選び、整える様子 -
難易度の高い「三本綯い」